方広寺の鐘「見学」鐘楼の天井画や淀君の霊【徹底ガイド】
方広寺を訪れると、必ず鐘を見学します。方広寺の鐘と言えば、鐘銘事件(鐘銘問題)が有名です。
鐘銘事件は、方広寺の鐘に刻まれた「国家安康」と「君臣豊楽」の銘文に、徳川家康が言いがかりをつけて、豊臣を挑発した事件です。
「国家安康」と「君臣豊楽」の銘文は、現在でも方広寺の鐘に刻まれており、実際に見る事が出来ます。
歴史の一端に直接触れる事が出来るとあって、方広寺の鐘を見学する方の多くは、この銘文が目当てではないでしょうか。
しかし、方広寺の鐘の見どころは、これだけではありません。今回は、方広寺の鐘の見どころや豆知識を、現地に訪れて見学した時に撮影した写真とともに紹介します。
方広寺の鐘「見どころ」
方広寺の鐘の見所
方広寺の鐘の見どころ・豆知識を一覧にしました。
方広寺の鐘の見どころ。
1.鐘の銘文。
2.鐘楼の天井画。
3.鐘の内側の淀君。
それでは、方広寺の鐘の見どころを、紹介していきます。
方広寺の鐘の重さや大きさ
方広寺は、奈良東大寺の大仏殿に倣って建立されたお寺です。地震で倒壊しましたが、豊臣秀吉の子である秀頼によって再興されました。
この時に鐘も造られます。下野国佐野郷の鋳工藤原三昌が鐘の鋳造を担当して、南禅寺の清韓文英が銘を撰述しました。
方広寺の鐘の概要。
大きさ:高さ4.12m、口径2.22m、厚さ0.27m。
重さ:82.7t。
国の重要文化財にも指定されている、日本三大名鐘の1つです。残り2つは、東大寺と知恩院の鐘が選ばれています。
鐘の銘文
方広寺の鐘の見所で、鐘に刻まれた銘文は外せません。銘文が刻まれている場所は、撞木に向かって左側です。
赤い矢印の所に、「国家安康」と「君臣豊楽」の銘文が刻まれています。分りやすいように白くなっているので、簡単に発見出来ると思います。
ただし、少し遠い上に文字が小さいので、肉眼では文字を判別するのが難しいです。そこで、銘文の部分をアップで撮影しました。
こちらが、銘文をアップにした写真です。「君臣豊楽」「国家安康」と刻まれているのが、分ります。
方広寺の鐘を見学する時は、望遠機能があるスマホやデジカメ、あるいは双眼鏡などを持って行くと便利ですよ。
鐘楼の天井画
方広寺の鐘を見学した時に、意外に見逃しがちな見所が、鐘楼の天井画です。
方広寺の鐘楼の天井には、迦陵頻伽(かりょうびんが)が描かれています。迦陵頻伽は、仏典に登場する想像上の鳥です。
極楽浄土に住み、美しい声で鳴くと言われています。また、仏法を説くとも伝わっている鳥です。
上半身は人間、下半身が鳥の姿で表現されています。描かれる時は、美声の表す楽器を持っている事が多いです。
こちらに迦陵頻伽は、手に太鼓のような小さな打楽器を持っています。
迦陵頻伽は、8世紀には既に日本へと伝わっていたそうです。そして、絵画や彫刻などの芸術の分野で用いられました。
京都では、東福寺や南禅寺、妙心寺、知恩院の天井画で描かれています。ただし、通常は非公開で、迦陵頻伽を見る事が出来ません。
天井画に描かれた迦陵頻伽を、気軽に見に行く事が出来るのは、方広寺の鐘楼ぐらいです。
鐘の内側の淀君
淀君と言うのは蔑称で、淀殿といのが正しい言い方だそうです。その淀殿の霊が、鐘の内側の影に浮かびあがると言われています。
そこで、鐘の内側を見てみました。淀殿の霊どころか、影すらも分かりません。
実際に鐘楼内に入って、鐘を内側から見たら、淀殿の影がはっきりと分かるのかもしれません。鐘楼の中には入れるようなので、開いていたら、見てみたいと思います。
方広寺の鐘の見どころのまとめ
私も以前は、「国家安康」と「君臣豊楽」だけが、方広寺の鐘の見どころと思っていました。しかし、改めて調べてみると、その他の魅力を発見しました。
せっかく方広寺の鐘の見学に訪れたのなら、銘文だけ見て帰るのは勿体ないですよ。鐘楼の天井画や淀殿の影も、見てみて下さい。
迦陵頻伽の天井画は、必見です。淀殿の影の霊は、豆知識として、話のネタになりますよ。
方広寺へのアクセス
方広寺へのアクセス方法。
最寄駅から徒歩8分。
最寄駅:京阪電車「七条駅」。