京都飛雲閣「特別公開」見どころ【徹底ガイド】

2019年4月3日

京都の西本願寺の飛雲閣「特別公開」の見どころを、実際に見学した時に撮影した写真を使って紹介しています。

飛雲閣の「特別公開」を拝観する前に、知っておくと楽しめる見所は、大きく分けて4つのポイントが存在しています。

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西本願寺「飛雲閣」の見どころ

「飛雲閣」について

「飛雲閣」は、西本願寺の境内の東南の滴翠園という場所に建っています。


赤いポイントの場所です。

豊臣秀吉が建てた聚楽第の遺構とも伝えらえる建造物で、「金閣」「銀閣」とともに「京都三閣」の1つに数えられています。西本願寺に移築されたのは、江戸時代前期と言われている国宝の建物です。

柿葺の3層構造の楼閣建築で、上層にいくに従い床面積が狭くなり、建物の中心も東に移動している「左右非対称」が建物の特徴になります。

「飛雲閣」の見所、4つのポイント

飛雲閣「特別公開」の時に、注目して見て欲しい3つのポイントです。

「飛雲閣」の見どころ
1.建物の構造
2.左右非対称な建物の形
3.歌仙の間の三十六歌仙の絵
4.舟入の間
番外.ライトアップ

拝観する時の注意点は、「飛雲閣」は撮影禁止の時があるという事です。もちろん可能な時もあります。

その時に行われる「特別公開」のよって、撮影条件が異なりますので、ご注意下さい。ここに掲載している写真は、全て撮影がOKだった時のものです。

3層構造の解説

「飛雲閣」は、3層構造の建築物です。赤い線が1層、緑の線が2層、青い線が3層になります。

1層は、入母屋造りに唐破風と千鳥破風が配されています。主室の「招賢殿」、舟が出入りする「舟入の間」、雪がつもった柳が描かれた「柳の間」や「茶室」などがあります。


赤い丸が唐破風、青い丸が千鳥破風です。破風とは、屋根の妻側の造形の事です。

2層は、寄棟造りに三方には小さな軒唐破風が配されています。三十六歌仙が描かれた「歌仙の間」があります。


赤い丸が軒唐破風です。

3層が、寄棟造りの展望台です。「手でつかみ取れるほど星が近くにある」事から摘星楼という名で呼ばれています。


2層、3層の屋根が、むくり屋根となっています。むくり屋根とは、上にふくらんだ屋根の事です。

小さな屋根は丸みを出す事により、大きく見える視覚的効果があると言われています。

ちなみに1層は、反り屋根です。このように3層の構造の違いに注目しながら建物を眺めると、楽しいと思います。

左右非対称の理由

「飛雲閣」が左右非対称には、理由があります。

1層の「招賢殿」は、設計の段階で、偉人の居室として使われる事が決まっていました。そのため、その上に屋根を作らない方針がとられます。

この事から、2層目の位置が右に寄る事になります。さらに3層目は、外観の釣り合いを考えて、このように配置されました。

写真の位置のように、真正面から眺めるのがオススメです。そうする事で、左右非対称になっているのが、良く分かると思います。

三十六歌仙の「歌仙の間」

三十六歌仙とは、藤原公任の「三十六人撰」に選ばれた平安時代の歌人36人の総称の事です。歌聖として崇拝されていました。

2層の「歌仙の間」には、その三十六歌仙が描かれています。外からは、板戸に描かれた三十六歌仙の絵のみを見る事が可能です。


写真の右側をアップにしてみました。男性と女性が描かれているのが分かります。

アップにしても誰だか全く分かりません。ただ、三十六歌仙の中で、女性は人数が少ないため、調べると判明しそうです。

誰なのか気になったので、調べてみました。調査方法は、百人一首の絵柄と照らし合わせて、雰囲気が似ている人物を探すという曖昧な方法です。

三十六歌仙の女性は、「小野小町」「伊勢」「斎宮女御」「小大君」「中務」です。絵の雰囲気から「小大君」か「中務」、どちらかではないでしょうか。

男性の方は、「平兼盛」のような気がします。


続いて、真ん中に描かれている三十六歌仙です。

右の黒い衣装の男性が「大中臣能宣」、左の水色の衣装の男性が「壬生忠見」と「壬生忠岑」に雰囲気が良く似ています。一人に絞り込めないのが残念です。

全然自信がないので、間違っている可能性が高いのは、ご理解下さい。


写真の左に描かれている三十六歌仙です。

右の白い衣装の男性が「藤原元真」、左の人物が「清原元輔」だと思います。

西本願寺が発行する「飛雲閣」関連の本には、「歌仙の間」のどこに誰が描かれているかが掲載されているかもしれませんね。気になる方は、調べてみて下さい。

船入の間


飛雲閣の表玄関です。滄浪池に橋が架かるまで、ここが唯一の出入口でした。

それではどうやって「飛雲閣」に行き来したのでしょうか。答えは船入の間から分かる通り、舟です。

飛雲閣のライトアップ

特別公開の番外編です。

西本願寺全体がライトアップされる行事が行われる時に、飛雲閣の夜間拝観が可能な場合があります。部屋に灯りがともり、滄浪池に映り込む飛雲閣は、とても幻想的です。

飛雲閣の見どころの1つなのですが、機会があまりないので、番外編として紹介しました。

飛雲閣「特別公開」について

「特別公開」の種類

飛雲閣では、一般公開が行われています。大きく分けて「特別公開」の種類は、3つです。

飛雲閣「特別公開」の種類
1.昼間の特別公開
2.お茶会の特別公開
3.夜間の特別公開

1.昼間の特別公開

1日2回、午前と午後から飛雲閣の一般公開が行われています。飛雲閣を拝観するには、予約が必要です。

また、年に数回、予約なしでの拝観できる昼間の特別公開が行われます。

2.内部の特別公開

宗祖降誕会の時に、飛雲閣の内部に入って、お茶会が楽しめる特別公開です。抹茶とお菓子、そして1層内部の見学が可能です。

料金は、5,000円と値段が高いため、参加のハードルが高めです。

3.夜間の特別公開

西本願寺でライトアップが行われる時に、飛雲閣も特別公開される時があります。ただし、滅多に行われません。

※現在建物は修復中なので、一般公開は行われていません。(修復終了:2020年3月予定)

飛雲閣の拝観予約の方法

飛雲閣の拝観予約の方法は、とても簡単です。西本願寺に代表番号に電話をして、「飛雲閣を拝観したいのですが」と伝えるだけです。

係の方につないでくれるので、希望日や時間などを言って手続きしましょう。

飛雲閣へのアクセス

飛雲閣への行き方です。

京都駅から徒歩15分。

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Posted by 観光のコツ